(母から)
一郎ちゃん
毎々お電話をありがとうございます。
元気な声を聞いては安心しています。いろゝ御苦労もあること、察しますが、一郎ちゃんらしく頑張って下さい。私も元気で働いていますから、どうぞ心配しないでネ。
本日(三十日)お葉書の文面の本、テープ、カメラ等お送り致しました。〇〇のおっちゃんが手伝ってくれはりまして、フットワークの運送にたくしました。二、三日かゝるとの事ですが、お受取り下さい。
「波動進化せる世界文明」の本が見当たらなくて、ゆっくりさがして 又 お送りします。お送りした中で間違っていたのがありましたら、お許し下さい。
住民異動届、再発行してもらへませんので、念の為落とさないでネ(サラ金に使われたら大変ですからフ、、)
今、夜のヒットスタジオで聖子ちゃんと薬師丸ひろ子を見ています。
では、お躰お大切に御地での生活を楽しいものにして下さい。
五月三十日 夜 母より
(母への返信)
お母さんへ
一郎です。お手紙ありがとうございました。
お母さんからは、長年にわたってたくさんの手紙やハガキをもらいました。手紙やハガキの他にも、荷物に同梱されていたメモ類も合わせれば70通を超えます。私からは、荷物を送ってほしいといった連絡をする以外は、返信もせず、大変申し訳ありませんでした。
ただ、お母さんからもらった手紙類は、ずっと残してありました。別にどうこうしようという思いはなく、捨てるに捨てられなかったというのが、本当の所ですが・・・。(スミマセン)
何年か前に心理学のセミナーを受講しているときに、母親の手紙を残してあるといった話を同じ受講生の人にしたところ、今からでも返事を書いたらどうかという話をされました。その時は特段そんな考えはなかったのですが、私も今年(2025年)の6月で会社を退職し、サラリーマン生活にも一区切りつきました。退職して時間もできたこともあり、それで、少しずつ、返事を書こうと思った次第です。
1983年に働き始めたので就職してから40年以上が経ちました。サラリーマン生活を振り返りながら、返信していきます。
さて、この手紙は私が本などの送付を依頼して、お母さんから荷物を送ってもらった時に別便でいただいた手紙ですね。荷物に私が送ったハガキも同梱されていたみたいなので、何を依頼したのかもわかりました。寮の狭い部屋にこんなに本やカセットテープを送ってもらっても置く場所もなかったろうに、どうしたんだろうかと思ってしまいます。その他にも2通、荷物を送ってほしいとの依頼の手紙、ハガキが出てきました。本のタイトルを見ると懐かしく思うものもあれば、こんな本持ってたんだと思うものもあります。また、カセットテープには松田聖子の曲が入っていたのではと思います。見つからなかったと書いてあった「波動進化する世界文明」も、私の手許にありますので、遅れて送ってもらったようです。ありがとうございます。
広島で過ごした会社の寮は二人部屋で、部屋の扉を開けるとそれぞれのベッドが部屋の両側にあり、ベッドの奥に小さな括り付けの机がありました。ベッドとベッドの間が通路ですが、通路の幅は1メートルも無かったように思います。通路の先に小型のテレビが置いてあります。これは同室者の人のテレビです。やはり先に入居した方に権利があるのです。ここで1年くらい暮らしましたが、途中で同居者が変わりました。でも、私はテレビは買いませんでしたけど。
寮から会社までは40~50分くらいだったと思います。今行けと言われても、もう道もわからないでしょうけど、広電というローカル線に乗って通ってました。
私の社会人生活は広島からスタートしました。それから40数年、今は東京です。この間、東京以外でも大阪、宮城、愛知、群馬、石川で仕事をしました。こんなに日本全国あちこち行くなんて、入社したときには全く想像していませんでした。
お母さんは、私が群馬や石川で働いたことは知らないですよね。おいおい、そのあたりのことも記していきます。
それでは、また返信します。
一郎(2025年8月29日記す)
補足
私は、1983年に会社に就職した。入社後、1か月程度の研修が東京であり、その後、広島の五日市町にある事業所に配属になった。五日市町はその後広島市と合併し、今は佐伯区となっている。
大学卒業まで実家暮らしであったため、就職して初めて家を離れた。当時は、会社でやっていけるのだろうかという不安と、親元から離れられたという解放感がない交ぜになっていたのだろうと思う。
また、母はこの時53歳となっている。
<配送依頼1>
1983.5.10
拝啓
広島に着き今日で3日目、なんとか元気でやっています。風邪もほとんど直りました。寮は一階に一台電話(無料)があるだけで、それを190人が使うのですから、ほとんどあいてません。それで手紙にします。なお、東京から大阪に送ったスーツケースの中に新聞紙でくるんだプリントがあります。それをこちらに送ってください。それとテープレコーダーと、お願いします。(電気コードも忘れずに)
一郎
‘83 5/10 PM9:40
(追伸 机のけい光燈の上の本棚に「新しい記憶術」という本があるので、それも送って下さい。)
<配送依頼2>
1983.5.27
拝啓 こちらは元気です。寮の生活にも、仕事にも慣れてきました。ただ寮に帰ってから仕事の手順等を勉強している為に、なかなか自分の時間がとれず、読みたい本を思い通りに読めません。いくらか送ってもらいたいものがありますので、お願いします。
- 「アメリカ口語英語」(グレゴリー・ストリカーズ)「アメリカ口語英語動詞編」(〃)以上机についている 本棚/「現代政治の思想と行動」(丸山真男)「波動進化する世界文明」(村山~)以上机の横の薄緑の本棚/「指導力の研究」(渡辺昇一)六畳の木の本棚/3畳の方の本棚でHISAO OTSUKA著で題名にCAPITALISMの単語が入っている英語の本/「奇跡の英単語」「奇跡の英単語青版」「奇跡の英熟語」「奇跡の英文法」「奇跡の英語」(以上、長崎玄弥)これらの本は机の本棚、うす緑の本棚、茶色の棚の上の木の本棚に分散していて、なおかつカバーがないので題名がわかりにくく、2つにちぎれているものもあり、さがしにくいのですが、お願いします。2.カメラ 3.カードファイル 4.カセットテープ 茶色の本棚の上にのっているカセットテープ全部(緑の本棚の上についている青色の棚に空のカセットテープ入がありますから、それに入れて送って下さい)5.本「機能本位フランス語」(題名を完全に覚えていません。たしか3人の共著で新書版の小さい本です。机の一番下の引出にあります) 以上、お願いします。



