(5)ナビダイヤルと通話料

投稿者: | 2022年4月2日

 

「0570」で始まる電話番号をご存じだろうか。いろいろな企業の商品、サービスの問合せ用の番号として、パンフレットなどに記載されている。同様に企業の問合せ用に利用されている「0120」で始まる番号も、パンフレットなどではよく見る番号である。。

「0120」で始まる番号は「フリーダイヤル」という電話サービス、一方、「0570」で始まる方は「ナビダイヤル」という名前の電話サービスである。この2つのサービスは何が違うのだろうか。

「フリーダイヤル」は「フリー」という言葉からも分かるように、通話料無料のサービスである。電話をかける方は無料で、電話を受ける方がその通話料を負担するサービスである。負担する通話料金は、電話をかけた側が負担する通話料である。従って携帯電話からかけた場合は、携帯電話の通話料金を着信側が負担することになり、負担額は固定電話から着信があった場合より高くなる。

「ナビダイヤル」の場合、通話料は発信者(電話をかけた側)が負担するが、受信側は複数の着信先に対して同じ番号を使うということが出来る。例えば東京と大阪でお客様からの電話を受ける場合に、どちらも同じ番号でお客様に周知できるのである。

 よくあるパターンは、固定電話からの問合せにはフリーダイヤルを、携帯電話からの問合せにはナビダイヤルの番号を記載してあるケースだ。

 先日、ある商品について問い合わせをした。案内にはフリーダイヤルの番号も記載されていたのだが、携帯からおかけの場合は「0570」をということだったので、ナビダイヤルの番号にかけてみた。ナビダイヤルにかけてみたらわかるが、〇〇秒毎に10.8円の料金がかかりますといったアナウンスが流れる。この時は確か20秒毎に10.8円というアナウンスだったと思う。

 通話料金がかかることは分かっていたのでそれは想定内なのだが、つながった後に「ただいま電話が混雑しています。掛けなおすか、このままお待ちください。」といったアナウンスが流れた。掛けなおすと、また順番待ちの最後に並ぶことになるのでそのまま待ったのだが、これがなかなか人が出てこない。結局人が出るまでに3分くらい待った。3分というと約100円の通話料である。問合せをするまでに100円も支払わされる問合せ窓口というのは一体何なんだろうか、と思ってしまった。バッドカスタマーインターフェースである。

 おそらく、この問合せ窓口を用意している企業は、ナビダイヤルの仕組みをよく分かっていないのだと思う。問合せ用としてフリーダイヤルは用意したが、携帯電話の料金までは負担したくない、それでナビダイヤルという選択だったのだろうが、顧客を待たせている間も顧客は通話料を負担しているという認識が無いのだと思う。

 この辺りは稿を改めるが、カスタマーインターフェースを構築するにあたってのポイントは、顧客への配慮である。それが不足していると指摘されても、仕方のない例であった。問合せをした結果、私の問合せ内容については分からないという回答だったので、二重に手痛い結果となってしまった。

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