(4)陳列のマジシャン

投稿者: | 2022年3月29日

 先日、テレビで陳列のマジシャンと呼ばれる方を紹介していた。スーパーマーケットで商品の陳列を変えることにより、品物を手に取りやすくしたり見映えをアップすることで、売り上げる上げるという手法に長けているという人である。

 見ていると、きちんと整列して並べられていた商品をワゴンに入れて手に取りやすくしていた。これはジャンブル陳列と呼ばれる手法で、価格訴求品をワゴンなどに無造作に投げこんで陳列方法だそうだ。売場で目立つと同時に商品を手に取りやすくするというメリットがある。きちんと積み上げられて陳列されているとそれをくずすのが嫌で商品を手に取りにくいという。無造作にワゴンなどに入っていると気兼ねなく手に取ることができる。価格訴求と相まってよく売れるというわけだ。また、陳列台の底の色を変えることによって、お惣菜や刺身が色映えし、ついつい買い物客が手に取ってしまう様子も映っていた。

 こういった陳列も、カスタマーインターフェースの一形態だと考えている。売り場と買い物客とのインターフェースを良くすることで、買い物客に商品を手に取りやすくする。商品を手に取ってもらえれば当然買ってもらえる確率も上がり、お店の売上も上がる。買い物する方にとっても、欲しいなと思っても手に取りにくかったりすることが無くなり、また目が行かなかった商品が目に入り、それだけ選択肢が増えるといったメリットがある。

 逆に言うと、売場と買い物客とのインターフェースに気を配らないままだと、売上を上げるチャンスを逃しているとも言える。商品の陳列方法にはいろいろな手法があり、ジャンブル陳列もどんな商品にも適しているというわけではない。「陳列のマジシャン」に各地のスーパーマーケットから依頼が来るということは、まだまだ陳列のプロフェッショナルが少ないのだろう。スーパーマーケット各社は陳列のプロの育成にもっと力をいれてはどうだろうか。

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