(3)交通標識を見て

投稿者: | 2022年3月21日

 画像で示したような交通標識を見たことがあるだろうか。いろいろなところで結構よく見かける。見かけるといっても、キャッチコピーの文言ではない。途中で一部が白くなった交通標識である。これは近づいてみると読み取れる。この標識の場合、「児童多し 走行注意」というのが元々の文言で、その下半分が消えて「児童多し    」となっている。これでは標識としての役割を果たせない。

 どうしてこのようになるかと言えば、この「走行注意」という部分は赤字で書かれていたと思われる。この道路は児童が多いから、車で走行するときは気を付けて下さいという趣旨であろう。この気を付けて下さいという部分を強調するために、赤字で「走行注意」と書いた交通標識を作った。

ところが、年月が経つにつれて赤字の部分が消えてしまい、現在では「児童多し    」といった

交通標識になってしまった。

 どうして赤の塗料が早く消えるのか、またどの程度の年月で消えてしまうのかについては、残念ながら知らない。しかしながら、赤の塗料が先に消えるということは、多くの交通標識を見ていればわかることである。それなのにどうして赤字を使うのであろうか。

 赤字を入れるときちんと人の注意を引くことができる。黒一色だとあまり人の注意を引かないのも事実だ。これを見るドライバーをカスタマーと捉えると、カスタマーインターフェース的には一部分に赤字を入れて注意を引くことが望ましい。かくしてこれもカスタマーインターフェースの問題となる。

 以上のような理由から、色々なところで半分文字が消えてしまった交通標識ができあがることになる。赤字が消える頃には、誰がこれを作ったのか分からなくなっていて、責任を問われることもない。

 対策は如何に。

 ①赤字が消えてしまう時期を調査し、一定の時期が来たら作り直す。或いは赤字が消えてしまってい       る交通標識を見つけたら作り直す。

 ②最初から黒1色で作り、全部の文字が消えるまでの時間を伸ばす。(いずれ黒の文字も経年劣化で消えていくだろう)

 ③(そのような塗料があれば)長持ちする赤の塗料を使う。(コストが上がっても)

 くらいであろうか。

 現実的に①は困難であろう。また②では交通標識としてインパクトが無くなる。交通標識としての役割を考えれば、③が妥当に思える。そういった塗料があるのか、また通常の塗料に比べてどの程度コストが上がるのか、ご存じの方がいたらご教示ください。

町で見かけた交通標識

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